高円寺という街には、説明のつかない引力があります。
おしゃれでもなく、洗練されてもいない。でも何度でも歩きたくなる。古着屋の隙間に小さなギャラリーがあって、その隣でカレーの匂いがして、路地の奥から音楽が聞こえてくる。ジャンルもリズムも違うものが、不思議と喧嘩しない街。
C.G.R.は、その感覚をそのまま場所にしようとしています。
完成より、途中を。
私たちが展示したいのは、「作品」より先に「試み」です。
すでに評価が固まったものより、まだ言葉にならない段階のもの。誰かの手の中で、まだ形を探しているもの。C.G.R.のレジデンスプログラムは、アーティストが高円寺という街と摩擦しながら何かをつくる時間です。その過程ごと見せたい、という気持ちが根っこにあります。
答えより、問いのほうが長く残る。そう思っています。
共鳴が目的です。
Resonance——C.G.R.の「R」にあたる言葉です。
展示を見た人が、「なんかいい」と感じて帰る。その夜、理由を考える。数日後、また来る。それだけでいい。私たちが何かを伝えようとするより、来た人の中で何かが動くことの方が、ずっと大切だと思っています。
作家と街と、訪れた人の間で何かが響き合う瞬間。その瞬間のためにC.G.R.は存在しています。
「なんかいい」は、批評できない。
美しいとか、メッセージが深いとか、そういう言葉で括れないものが好きです。理屈を超えて、体が先に動いてしまうような何か。
C.G.R.はそれを、街の中に置き続けたい。
高円寺の日常の中に、少しだけ異物として。でも馴染んで。気づいたら通り道になっているような場所として、ここに立っています。